「高い声が苦手=才能がない」ではありません。
多くの場合、原因は息のコントロール不足と喉の余計な力み。
まずは腹式呼吸で安定した息を作り、喉を開放し、鼻腔共鳴で響きを前に集める——この順番が、遠回りに見えて最短です。
ハイトーンは腕立て伏せではなく、呼吸と共鳴の設計で決まります。まずは呼吸から改善していきましょう!
「押す」ではなく「運ぶ」:腹式呼吸で息を安定化
高い音は喉で押し上げると必ず詰まります。押すのではなく、「腹式呼吸で整えた息に“声を乗せて運ぶ”」イメージに変えていくために以下の基本セットを練習してみましょう!
基本セット(1回3分)
仰向けで片手を胸、片手をお腹に乗せる。(膝は立てると横隔膜が動きやすい)。
鼻からゆっくり息を吸い、お腹がふわっと360°ふくらむのを手で確認。
口をすぼめて細く長く吐く。お腹が薄くなる感覚を観察。
これを10回。慣れたら座って行い、最後は立って行ってみましょう。ポイントは「力まず量をキープ」。これがボイトレの土台です。
※体調不良・痛みがあれば中止し、様子を見ながら実施してください。
喉の力を抜く:深い息で“リセット”
高音を出すと”喉が詰まる・痛い”などがある場合は次のストレッチを行ってみてください。
喉という声の出口を広くしていきます。
喉の緊張は声門が閉じる→響きが弱い→さらに力むという悪循環に繋がり高音が出にくくなってしまいます。
口をすぼめてスーッと10秒吐いてゆっくり鼻から息を吸う 3回
あくびをするような動作で軟口蓋(上あご)を上げる→息が静かに吸えることを確認します。
こうすることで深く柔らかい呼吸を行えるようになります。
このストレッチの後に発声をすると高音の成功率が上がります。
顔の筋肉を味方に:上方向のフォーム
いくらお腹に力を入れても声が出ない、というお悩みの方は、顔の筋肉が固まってしまっていることが原因になっている場合があります。
表情筋は共鳴の“ゲート”。まずは表情筋をほぐしてみましょう。
目尻・頬骨をそっと引き上げながら「エー」「ハー」と発声します。
顔の上半分が上がると軟口蓋(上あご)が持ち上がり、声の出口が広がるため、高い声が抜けやすくなります。
表情筋が動いてるかチェックするために鏡を使うと良いでしょう。
鼻腔共鳴で“細く遠くへ”飛ばす
高音は力を入れるとより出づらくなりますが、逆に力を抜くことを意識しすぎてしまい息が無駄に漏れてしまっている方も多くいらっしゃいます。
また声を出すときに喉だけで頑張ってしまい一箇所に負荷がかかり過ぎてしまい声が出ない方もとても多いです。
鼻腔共鳴とは鼻腔という鼻の奥の空間を使います。
鼻腔を共鳴させて声を出すことで、無駄な息漏れを防ぎ、喉の負荷を軽減します。
鼻腔共鳴ができるようになると格段に高音が楽に出せるようになりますのでぜひ練習してみてください。
口を閉じ「ん〜」でハミング(鼻歌)。鼻の付け根〜額に手をおいて小さな振動を確認してみましょう。揺れていれば◎。
その振動を消さずに口を開けて母音へ(「ん〜(ハミング)→あ〜/え〜」)。ハミングから声に切り替えるときは音を切らずそのまま出してみましょう。
低→中→高へと滑らかに音程を上げ下げしてみましょう。音程を変えても常に振動を保つことが鼻腔共鳴のポイントです。
腹式呼吸×喉の脱力×軟口蓋UPを三点同時に行います。響きを保ったまま高さを変えられたら鼻腔共鳴マスター!
鼻腔共鳴はなれるまで少しだけ難しいテクニックなので、難しい場合はレッスンなどでプロにチェックしてもらうことをオススメいたします。
10分トレーニング・メニュー
それではスキマ時間に家でできる10分のメニューをやってみましょう。毎日やるほど身体が覚えて呼吸が深くなっていきます。高音はとにかく息のコントロールが重要です。
①腹式呼吸(仰向けでじっくり) 2分
②喉を開くあくびの動作(実際にあくびをしてもOK) 1分
③ハミング(ん〜) 無理ない音程で5秒伸ばす×6回 1分
④「へ〜→え〜→い〜」とスライドさせて発声(半音階で上下させるなど) 3分
⑤サビ1フレーズを小さめの声量で3回(無理に大きな声で歌わなくてもOK,ただしなるべく地声で歌いましょう。)3分
だいたい合計10分。
声量より「息の質と共鳴の維持」に集中しましょう。
ただ力任せに高音をだしても意味がありません。いい響きで高音を出せる下準備をしてみましょう。
よくある失敗と修正
練習していると「これであっているの?」とわからなくなることも多いと思います。
いくつかやってしまいがちな失敗をあげてみますので参考にしてみてください。
大声勝負:音程が上がるほど声量はむしろ控えめに。通りは共鳴で作る。
顎が上がる:高音ほど後頭部が天井に伸びる感覚で、顎は前に出さない。
胸式呼吸に戻る:肩が先に上がったら即リセット呼気。
連発しすぎ:高音は連投NG。1〜2回成功→30秒休むのが声帯に優しい。
ただし最初はうまくいかなかったり、わかってはいるけどできないなど難しいこともあると思います。
最初は喉が痛くなったりむせてしまっても落ち込まなきても大丈夫です。
そのうちにだんだんコツを掴んで突然「あれ?」とうまく出る瞬間があります。
練習の安全ガイド
練習中に無理をしすぎて喉を傷めないように以下に注意してください。
いきなり高い音を連続で出さない。余裕のあるキーから段階的に。
痛み・かすれ・違和感が続く日は休む。ペースは自分で決める。
水分はこまめに。部屋は乾燥させない。
1人でやっていてわかりにくいか部分もあるかもしれません。
そんな時はプロのボイストレーナーからのフィードバックがあれば一発で解決することも多いです!
Master Musicの無料体験レッスンもおすすめです!
ボーカルスクール
【マスターミュージック】
プロシンガーから直接習えるから確実に上達する!
まずは無料体験レッスンを受けてみよう!


